そうと決め込んだ私は、その後も男性の怒鳴り声が収まるまで息を潜め続けた。
三十分ほど経った頃だろうか…
ようやく諦めたらしく、男性の気配は無くなっていた。
緊張で硬くなった身体をほぐすように、立ち上がると、それだけでクラクラ目眩がした。
確か、青年から薬を飲めと言われていたっけ…
洗面所から部屋へと戻ると、
用意されていた薬を確認してみる。
3錠の錠剤はどれも違う種類のものだった。
まだ10歳の少年がこんなに薬を飲まなきゃいけないなんて…
自分は病気の設定なのだろうか。
そう思うと、急に身体が怠く重たい気がしてきた。
「ゴホッ、ゴホッ」
咳き込みながら薬を1粒ずつ口の中へ放り、水で流しこんでいく。
食道が焼けるように熱い…。
咳が止まらない。
ベッドに倒れるように寝転ぶと、
あっという間に意識を失ってしまった。