『かっ、彼氏?』
「そうそう。流星は彼女いる?』
流星にとっても予想外の返答だったのか、あたふたしているのが電話越しでもわかる。
少し良心を痛めながらも、彼の言葉を待った。
『…残念ながらいないよ、彼女なんて。』
「そっか…それは残念。」
我ながらまったく残念そうでもなく答えると、しばしの沈黙。
あたしからこの話題を振ったんだから、続けなきゃ。
ない脳みそを振り絞って言葉を探す。
「りゅ、流星群!恋人と見れたらロマンチックなのにね!」
本当はそんなこと微塵も思っていないのに、つい口を出た。
別に星なんて好きでもないし、ましてやロマンチックだなんて思うはずもない。
でもさっきの女子会ではみんなうっとりしていたし、世の人々はきっとそう思うんだろう。
すると電話の向こう側で、流星がハッと息を呑む音が聞こえた。