「なるほどの。だが、せがれよ、この件に関しては闇に葬りたいと考えておるのじゃ。それが皆にとって最善の選択なのだよ。
わしは今まで散々いろいろな事をしてきたが、極力堅気に迷惑をかけないようにやってきたつもりじゃ。
だが、あの事故はうちにとっても汚点でしかない。1つの幸せな家族・家庭を崩壊させてしまったのじゃからの。」



松本の目には先ほどまでにない罪悪感を感じさせるものがあった。



「松本会長。私はこの件を掘り返し表ざたにするつもりはまったくありません。
ですが、柿沼修一の帰りを待っている婚約者がいるんです。その人の為にも、もしまだ生きているなら居場所を教えて頂けませんか?」