決断は一瞬、後悔は一生

キミが居ない世界は考えられなくて、私の大好きなキミが隣にいなくなるなんて、こんなにも苦しいことだったなんて。




私はキミが全てだったのに神様はキミを私から奪った。



キミだけじゃない。



キミといた時間。キミの笑顔。あと・・・。




キミが私にくれた幸せ。




全部。



全部―。


私の大事な大事なものだったのに。




「美雨のこと好きだよ」「ありがと」「美雨といると落ち着く」



キミが私に言ってくれた言葉。




全部。全部、覚えてるよ。





だからキミが居ない世界は、真っ暗で退屈な世界だった。




【決断は一瞬、後悔は一生】








「もし、過去か未来どっちかに行けるのなら、どっちに行きたい?」


私がこんなこと聞いたから、神様はキミを連れてったんだ。


全部、全部。


私のせいなんだ。



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一途で、お人好しな女子高生


音宮美雨  (miu otomiya)


      ×



紳士な学校1のモテ男


結城優翔  (yuuto yuuki)


      ×



小悪魔学校1のモテ女


沢良宜瑠凪  (rona sawaragi)


      ×



女嫌いなモテ男


神木雫  (sizuku kamiki)





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私はキミが隣にいてくれることだけが雄一の幸せだった。


だけどこの幸せももうないんだ。



私の望みが一つだけ、たった一つだけ叶うのなら。



私はキミに会ってキミに言い残したことを言うんだ。



「私はもう大丈夫だよ」って。



キミはきっとどこかで私のこと心配してる。



キミはそういう人だから。



紳士でかっこよくて、でも心配性でそんなキミだから私はキミを好きになったんだよ?






神様。



どうかもう一度だけ、キミに会わせてください。




この望みが叶うのなら私は幸せだよ。




世界一の幸せ。




【美雨side】



「もし、過去か未来どっちかに行けるのなら、どっちに行きたい?」




あの日、私がキミに聞いた言葉。



今でもはっきり覚えてる。



キミの笑顔も覚えてる。


忘れるわけないよ。



私はキミの笑顔が大好きだったから。




あの日、キミは私に微笑んで言ったんだ。



「未来に行きたい」




私はキミの言葉に目を丸くした。



だって、ほとんどの子は「過去に行きたい」って言うから。




「なんで?」


私は君を見つめて聞いた。


キミは私の目をまっすぐ見て、胸を張っていった。



「俺が美雨のこと、ちゃんと幸せにできてるか確かめたいから。」



そんなこと言ってくれる人、一生現れないと思ってた。
そんなこと言ってくれる人、夢物語の中でしかいないと思ってた。


そんな事を言ってくれたキミに私は言ったんだ。

「今でも、十分幸せだよ。優翔くんといることができるんだもん。」


キミは微笑んで、私を、力強く抱きしめた。

こうやってキミに抱きしめられることが一番の幸せで、この幸せがあるのなら、もう他に何もいらないって思ってたのに。

神様は意地悪だ。

その日、一番幸せを感じた日。




神様はキミを連れて、天国に行ったんだ。
私は、神様は幸せだけを運んでくれるものだと思ってた。



キミはあの日、私の大好きな笑顔を見せて、



「俺が美雨のこと、ちゃんと幸せにできてるか確かめたいから。」
って言ってくれたのに。



キミと話したのも、私を抱きしめてくれたのも、私と居てくれたのも、あの日が最後だった。






だから、私が大好きなキミの笑顔を見ることもあの日が最後だった。







            ―これは、キミと私の恋物語。―
【優翔side】



「もし、過去か未来どっちかに行けるのなら、どっちに行きたい?」



あの日、お前が俺に聞いてきた言葉。



俺は、今でもはっきり覚えてるよ。



お前の笑顔も覚えてる。



忘れるわけがない。





「ありがとう」「ダイスキ」「一緒にいると落ち着く」


お前が俺にだけ見せてくれる笑顔も言葉もお前が愛おしくてたまらなかった。
あの日、俺は微笑んでいったんだよな。余裕あるふりをして。




「未来に行きたい」




俺の言葉を聞いてお前は、戸惑ったような、困ったような、驚いたような、顔を見せて言った。





「なんで?」



お前が俺を見つめて聞いてきたから俺もお前を見つめ返して言った。





「俺が美雨のこと、ちゃんと幸せにできてるか確かめたいから。」




これは俺の本音。なぜなら、お前が幸せなら俺も幸せだから。




「今でも、十分幸せだよ。優翔といることができるんだもん。」






お前は俺に微笑んだ。


この言葉がどれだけ嬉しかったか。お前の微笑んだ顔が俺に向けられるほど幸せな時はなかった。




お前が俺に微笑んでいるこの幸せをもっと感じたくなって俺はお前を抱きしめた。





力強く。





お前は俺に笑顔しか見せなかった。



毎日、毎日。





でもお前は、俺の知らないところで泣いてたんだな。




俺はそれに気づけなくて。




後悔した。





俺はお前が俺に隠れて泣いてることを知ったとき、俺はお前に謝ろうと思った。





あの時、俺が早く謝ってれば俺は・・・・




俺がお前に謝る前に、神様は俺を連れて、お前の離れた場所に連れてった。



俺は神様を憎んだ。




俺はお前に言いたいことがあんのに。



謝りたいことがあんのに。




なんで後悔だけ残して俺はお前のもとを離れた場所に連れて行かれないといけないのか。





俺はお前にもう一度会えるなら。




謝りたい―。





「俺が幸せにすることができなくてごめん。あと、・・・・」





お前と話したのも、お前を抱きしめたのも、お前と居たのも、あの日が最後だった。





俺が愛おしいお前の笑顔を見ることもあの日が最後だった。







            ―これは、お前と俺の恋物語。―