でも結局は一人になった。

どうせこんな結果になるのなら無駄だと分かっていても、もがいてみればよかったのかな。


廊下からは「ポーチ踏まないでよっ」「ノートが水溜まりに入ってる。さっさと拾ってよっ」と、双子たちが雨の中に取りに行かせたほのかを罵倒している声が聞こえてくる。


廊下にチラッと視線を送った奈穂実は、呆れたように大きなため息を1つついた。


「あんな連中に遠慮することも、怖がる必要もないんだって、ね? 」

「……うん、そうだね」


わたしのこの気持ちを分かってくれる人に、そして会いたかった人にやっと会えたんだ。

そう心から思えた。