「担任に絶対に怒られるって分かっているから、今すっごくドキドキしてるの」


まったく予想できなかったカミングアウトに驚いてしまった。


「でも、泣き寝入りをするのが嫌なの。だって抱え込んでずっと苦しむのって自分だし、そんなのバカバカしくない? 」

「バカバカしい? 」


その言葉にわたしの心に留まっていた雨雲が、一瞬で散り去っていく気がした。

転校してきてからいろいろあって、いろいろされて、唯一の友達もいなくなってしまって。

苦しくて悲しくて寂しくて、けれどそれを誰にも伝えられずにいて辛かった。

仕方ないと自分に言い聞かせたり、怒りが収まらなくてやり返してやりたいと思ったことは何度もあるけれど、そんな度胸もなくて。