「『ごめんなさい』って言うのは簡単だけど……、自分が何をしたのか分かっているの? 謝まったって二人は生き返らないんだからね」


奈穂実がほのかに言い放った。


「……え? あたしが……? 」


ほのかは驚いたように奈穂実を見て、そして潤子を見た。
何も言えずにいる潤子にほのかは声を震わせて訴えかけた。


「あたしが殺したっていうの? ……違う、あたしじゃないよ。ママは信じてくれるよね? 」

「ほのか……」


信じたいけれど、この教室にほのかが一人でやってきた理由が他に浮かばないのだと思う。

潤子はうんうんと何度もうなずきながら、ほのかを信じようと自分に言い聞かせているようだった。