「いやっ! ごめんなさい、本当にごめんなさい。お願い許して……」


ほのかは両手首を奈穂実に持たれたまま、泣きはじめた。


「ほのかっ! 」
「あんたたち、何やってるの? 」


やっと追いついてきた潤子と奈穂実の母親が、この光景に驚いて声をあげた。


「……ママ、」


潤子を見て、ほのかは力なく崩れていく。

奈穂実はバツが悪そうにほのかから手を離すと、ほのかに駆け寄ってきた潤子にその場を譲った。


「ママ……、わたし、わたし、」

「大丈夫よ、ママがついてるからね」


震えながら潤子にすがりつくほのかを、潤子はしっかりと抱きしめた。

けれど奈穂実は軽蔑するように見下ろしている。