アナウンスが流れ、お経をあげるお坊さんが式場に静かに入ってくると、みんな話を止めて軽く座り直し、姿勢を整えた。


「やっぱりわたし、ちょっと外に出てる……」


気分の悪さが限界だった。


「え、……顔、真っ青になってるし。一緒に行くよ 」


中腰で席を立ったわたしを見上げながら、奈穂実も静かに立ち上がった。


「一人で大丈夫だよ」

「いいから行こう」


奈穂実はわたしの腕をがっしりと掴むと、力強く式場の外まで連れ出してくれた。