わたしも、というか式場全体が多華江が握りしめているものが気になって目を細めながら見るけれど、ハッキリと見えない。

同じように目を細めている奈穂実は首をかしげてきた。


「……ただの白いハンカチっぽくない? 」

「わたしにもそう見える」


ハンカチだとすれば取りあげようする理由もだし、あんなに怒る意味も分からない。