山崎先生は教頭先生に支えられながら、ざわついた式場を出て行った。

応急も兼ねて、どうやら2階の休憩室で休むらしい。

先生の後ろ姿を見送りながら、ほのかは出席している母親の潤子を手招いて小声で訪ねた。


「ねぇママ? 多華江おばさんは何を持っているの? 」

「さ、……さぁね。ママ、多華江と少し話があるから」

「これから? だってもう始まるよ? 」


何か動揺しているような潤子は、ほのかには答えずに祭壇へと近づくと、多華江の肩を抱きながらヒソヒソと何かを話しめた。