ある日の月曜

涼の様子がおかしいのに気づいた

「涼?今日元気ない。なんかあった?」

放課後、2人で学校から帰っている途中

私は思いきって聞いてみた

「んー?なんもないよ?」

うそだ

すぐにそう思った

目を逸らしたまま

表情が強張った顔でそういった涼

涼と何年も一緒にいた私には

涼が嘘をついたことくらい

すぐにわかった

私が黙って不安そうな顔をしたことに

気づいた涼は

今度は真っ直ぐな瞳で

「杏梨、好きだよ」

そう言った

こんなに真剣に涼は言うけど

ほんとよく普通に言えるなと

毎度感心する

「私も。私も好きだよ、涼」

私の言葉を聞いた涼は

満足そうだったけど

嬉しそうだったけど

どこか悲しそうで

切なくて

苦しそうだった

その理由を知るのにそう時間はかからなかった