「杏梨、おはよう」

朝、教室に入ると必ず一番に挨拶を交わす人

私の大好きな彼氏

「おはよう、涼」

いつも通りに挨拶をすると

やっぱりいつも通りに涼は私に微笑むの

これが私達の日常

「おはよー!杏梨!」

明るくて元気な声に振り向くと

やっぱりそこにいたのは大親友の由那

「由那、おはよう。今日も元気だね?」

「もっちろーん!杏梨と辻本くんは相変わらずラブラブですね?」

「もぉ学年公認カップルだしな?」

由那の頭に肘をつき話に入ってきたのは

涼の親友の総くん

「公認なんだ?知ってた?涼」

「知ってたよー?だって俺からいろんな奴にゆったし?杏梨に手出すなよってな!」

「なにそれ、初耳なんだけど?」

涼の言葉に照れ隠しをするように

笑って会話を続ける私

「もぉ!あんまり見せつけないでよねー?ラブラブなのはもう十分わかったんだから!」

ほっぺを膨らましながら言う由那

それをみて笑う私

涼はごめんごめんと笑って

総は由那のほっぺをつついてまた笑って


そんな平凡な日常が

私の中で当たり前になっていた

その当たり前だと思っていた日常が

当たり前じゃなくなった時

私はこんな日常

知らなければよかった、そう思った

だってそれは私にとっては

凄く大切な時間だったから

幸せを知らなければ

辛くなんかならないと思ったから

でもそれは違ったんだね涼