帰れるなら……
帰りたい……?
離れていても
大切な人の笑顔を思い出せる
今は傷つく未来しか見えない
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喫茶店にパパがきた。
戻っておいで……と、言われたけど。「うん」とは言えなかった。
離れていても、笑顔を思い出せる。でも、戻っても……2人だけの気持ちだけでは乗り越えられないものがあることを知っている。私は本当の娘ではないのだから……
あなたに出会えてよかった。いいことばりではないよ。でも、笑っててほしいから……
「今はほっといて……」
「わかった。待つよ……」
出て行く後ろ姿を見送った。これで最後……って気持ちで……
本当の私は欲張りだ
こんな幸せな時間がずっと続いてほしい……
色んなことがあってたくさん泣いた
色んなことを思い出して不安になる
優しくしてくれてるのに
なかなか立ち直れないでいた
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幸せな時間がずっと続かないって、知ってるから……今の幸せも続かない気がして不安を拭えなかった。
それが兄にも伝わっていたんだと思う。
「もう……限界……このままじゃ……」
「な……何を言ってんの?」
「美緒は、今まで辛いことがたくさんあったのは分かってるつもりだよ。だけど、それも全部俺達がまた出会うためだったんじゃないかって、今は思うんだ。色んなことがなければまた一緒に暮らせてない。何があっても、美緒は俺の妹だ」
兄の言葉に涙がこぼれた。
気持ちの壁……全部なくして……
離れたくない。離したくない。たった一人の兄……なんだ。多分また泣くけど……その時は……1人じゃない……
オレは一途だから
いつまでもキミだけが好き
いつのまにか特別になっちゃった
どうしてこんなことになっちやったんだろう?
どうしたらいいか……わかんな……
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彼女が誰なのかもわからない。それでも忘れられない。ズキューン……心に刺さった恋の矢が抜けない。今まで感じたことのない感情。
大学の帰り道……急に雨に降られて……近くの喫茶店に入った。俺のハート泥棒……やっと見つけた。あの時とは違って、笑顔を見て……高鳴る心音……
やっぱり……彼女と出会えた。彼女との繋がりを感じ……た。だけど、彼女は全く気づかない。チラッと見た名札に、桜井って書いてあった。
もう……誰かと付き合うとか考えられない
終わった恋を引きづって
悲しみを忘れられないならば
抱えて生きていくしかない
そうしたら……いつか……
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最近よく1人でくる大学生
たまに話すようになり、2人の中は急接近。話しやすくて……
思わず笑顔をこぼすと
「桜ちゃん、笑顔すごいかわいー」
「え?」
ポッと頬が赤くなる。お世辞だってわかってるのに……
優しい人だなぁ……
そんな時に、先輩の店員に呼ばれた。
「何……仕事しないでさぼってんの……?」
「そんなつもりじゃ……」
「これからは、私が彼の担当になるから」
「は……はい。すみませんでした……」
ちょっと仲良くなれたつもりでいた。でも、その気になっていたのは、私だけ……先輩と話している彼は笑顔だった。前の彼の時のことを思い出していた。やっぱり、みんな綺麗な人が好きなんだなー……
もうあの時のような想いはしたくないな……
キミのことまたひとつ知ることができた
ちょっとうれしい……な
まだ知り合ったばかりだから
知らないこといっぱいだけど
もっと知りたい……な
かわいすぎなんだよ……
早く俺の気持ち気づいてよ……
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桜井だから、常連の客は「桜ちゃん」って、呼んでる。
たまに話すようになり、笑顔をこぼす……
「桜ちゃん、すごいかわいー」
思わず言葉がでてくる。ポッと頬が朱くなる。ますますかわいー
そんな時に、他の店員に呼ばれていっちゃった……
その店員に話しかけられた。桜ちゃんを見ると、他の社会人ぽい男と話している。彼女に手を出したら許さないと思いながらも、何もできなくて……それから、桜ちゃんが俺のところにくることはなかった……なんだろ……このモヤモヤした気持ち……
近くにいるのに
キミをなぜか遠くに感じた
キミは何を思ってるんだろう?
キミの優しさにふれるたびに嬉しくて
オレの心に欠けたものを埋めてくれる
だけどあっけなく離れていく2人の距離
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あの日から、桜ちゃんがこなくなった。なんで?今までと違う態度に戸惑う。
桜ちゃんに出会ったのは偶然じゃなくて必然だと思ってた。だけど、桜ちゃんが接客するのは俺じゃない。他の客に向けられた笑顔……なんで他の男に笑ってんだよ……俺にも笑顔を見せてよ……
心に切なさと苦痛が……
俺、嫌われちゃった……?いつも話しかけてたから……こっちを全く見ないまま……遠ざかっていく背中……何もできずに、ただ他の店員と話してるだけ……そんなのいやだ……俺はテーブルの下で拳を握りしめた。
近くを通りかかった時、呼び止めた。コーヒーのおかわりを頼んだ。だけど、持ってきたのはまた他の店員……
「桜ちゃんに頼んだのに、なんで?」
「この席の担当は私なので……」
「じゃ、どの席に行けば桜ちゃんが担当なの?」
「なんでそんなこと言うんですか?私じゃいけないんですか?」
「俺は、桜ちゃんと話したいだけ……」
「なんであんな子……」
「あんな子?それ、キミに関係あるの?」
「分かりました。桜井を呼びます。」
やっと、桜ちゃんがきた。
「無理やり……ごめんね。話したいことがあるんだ。」
「ここじゃダメなんですか?」
「うん……」
「あと1時間後に仕事が終わるので、その時で……」
「わかった。」
1時間後に、店の外で待っていた。
「会ってから……早すぎなのもわかってる。だけど、桜ちゃんのことが好きなんだ。初めて会った時から……」
「え……っ……」
「急にヘンなこと言ってごめん……びっくりさせちゃったね。最初は一目惚れだったんだ。でも、どんどん好きになっていった。すぐに答えてくれなくてもいい、でも俺の気持ちを知ってほしい」
「ごめんなさい。今は誰かと付き合うとか考えられないんです。でも、せっかく知り合えたのに、このまま終わりにはしたくない。」
「これからもっと俺のこと知ってほしい。好きな気持ちを伝えられたからよかった……」
「でも、やっぱり……付き合うのは……気になる人がいるんです……」
「え……誰?俺も知ってる人?」
「知らない人です……」
「どんな人……」
「どんな人って言われても……一度しか会ったことのない人で…」
「一度しか会ったことのない人が気になってるの?」
「はい……」
「俺を諦めさせるためのいいわけ?」
「ち……違います……本当に公園で一度会っただけなのに、気になって……」
え?公園……?
「あのさ……それって、公園のベンチだったりする?」
「はい……」
「ベンチで泣いてた……?」
「なんでわかるの……?」
「多分……それ……俺……」
「え?」
「なんで、わかんねーんたよ……」
「泣いてたから、ぼやけてて……顔をよく見てなくて」
思わず抱きしめた……
「あ……あの時と同じ……」
「わかった……?」
私はあなたと出会った
たった一瞬の出会いだった
あなたはなぜか……
いつも……どこでも……
私を見つけてくれるんだね
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美緒は、今も気になる人がいた。一度しか会ったことないのに……
喫茶店で仲良くなった人からの突然の告白にとまどったけど、本当の気持ちを伝えた。
そして、こんがらがった糸をほぐすように……わかった事実。あなただったんだ………あの時の人は……
「あの時みたいに泣かないで、俺の隣でただわらってくれればいいよ。」
あなたの優しさにふれるたびにうれしくて……
「あのね……私の名前……美緒って言うの。名前で呼んでほしいな……」
「美緒ちゃん……俺のことも名前で呼んで……俺は龍一」
「龍くん……」
すれ違っただけの2人の恋は……今始まる
なんて優しさにあふれた人なんだろう……
ちゃんと心から好きだって思える相手を見つけた
気持ちがわかったから前へ進める
好きになってしまったら
もうこの気持ちに嘘はつけないんだ
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あれから毎日、仕事が終わるのを待って、一緒に帰る。ただそれだけ……初めてだから恥ずかしくて、手もにぎれない。こんな感じで大丈夫?
初めて手をつないだ。なんでこんなにドキドキしてるの?なんでこんなに心臓がバクバクなの?心臓のバクバクはしばらくおさまらなかった。
彼女は優しい。だけど、俺にだけ優しいわけじゃない。他の客にも優しいから、他のヤツにとられそうで不安になるんだ。
美緒ちゃんが俺の隣でわらってくれるなら、それでいいや……またあの時みたいな泣き顔を見たくはないから……
この時、まだ美緒ちゃんの涙の理由を知らなくて……
今までは今まで
私は私
あなたのおかげで
自信がついてきた
これからもずっと
あなたと一緒にいたい
あなたに感謝してもしきれない
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付き合い始めたけど、私じゃ釣り合わない気がしていた
彼のことを気に入っていた先輩……
「なんであんたが彼と付き合ってんの?全然釣り合ってないし、別れなさいよ……」
「そんな……別れるなんて……」
「自分が釣り合ってると思ってんの?」
「それは……」
「私なら……あんたよりも……」
喫茶店の裏口で言われていたら、彼がきた。
「なんで他のヤツに別れろなんて言われなきゃいけないんだ。」
「だって……全然釣り合ってないし……」
「他のヤツにどう思われたってかまわない。俺は美緒ちゃんが好きなんだ。」
「それじゃ、私の気持ちはどうなるの?」
「外見だけは綺麗なキミは、他の人が合ってるよ。」
「え……綺麗?」
「もう俺達の邪魔しないで……行こう美緒ちゃん」
「ね……やっぱり私じゃ……」
「美緒ちゃんは俺が選んだ彼女なんだから、もっと自信持って……」
いつもの笑顔で……ますます素敵……
あなたと一緒に幸せになりたい