オレはお前を手放すつもりはない
お前はどう思ってるの?
お前のこと誰より大切にするから
会いたい……よ
一緒にいると楽しくて幸せだった
お前はオレの知らない場所で
新しい生活を始めている
色んな人達と出会って
その時気持ちが同じであるとは限らない
時間がたてば人の気持ちだって変わっていく
オレ達もうダメなのかな?
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美緒がいなくなってから、時間が許す限り探した。だけど、どこにもいないんだ。
あれからずっと後悔している。もう一度やり直せれば……もう2度と後悔はしたくないから……
本当のことを知ったら、いつか俺から離れていってしまうんじゃないかって、怖かったんだ。本当のことを知って、離れていってしまった。もう会えない……のか?
かわいくて、ずっと……俺だけのものにしたいって思っていた。こんなにドキドキするのも、胸がキュウっとなるのも、全部お前だけなんだ。
見つけたら、本当の気持ちを伝えるんだ。
自分に自信がなかった
迷惑かけてばかりで……
そばにいちゃいけないんだ……
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この間の喫茶店でのことが週刊誌に載った。
私のせいで、また迷惑かけてしまった。
自分が必要とされてる。いつまでもこのままでいられたら……って、この時間がずっと続くといいなって願っていた。
そんなバカなこと考えて……ごめんなさい
彼に曲を作るのも、会うのもやめると連絡した。
本当に、なんでいつもうまくいかないんだろう……
今回の騒動のせいで、兄が居場所を知ることになる。
私が落ち込んでるのをわかってくれた。やっぱり優しいね。でも、その優しさに甘えてはいけないことはわかっている。
もうこんなことがないように、海辺の別荘から明日出て行くことにした。もう、誰とも連絡をとらないように、携帯を解約して……
こんな私には1人が似合ってる……
あなたは本当に私のことを必要……ですか?
あなたの気持ちを全然考えてなかった
私は自分のことばかり……
私が手放そうとすれば
あっさりと切れるような関係
どんな時もあなたは私に優しかった
あなたと一緒にいると楽しい
だけどこれ以上あなたを頼っていたら
きっと離れられなくなってしまう
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したいこともなくて、毎日なんてことなくて、ただ過ぎていく日々。彼がいてくれるだけでよかった。一緒にいて楽しいけど、彼はきっと無理してる。一緒にいるときは、幸せだったのに……頼り過ぎてる気がしていた。
これ以上頼っていたら、離れられなくなる。
また、昔に戻るだけ……だよ……
だけど、夜……
バンドのみんながやってきた。美緒の曲が必要だと言ってくれた。
「本当に私でいいの?」
「美緒ちゃんの曲じゃないとダメなんだ。美緒ちゃんが曲を作らないのなら、バンド活動の休止もかんがえている。」
「え……」
「もう、美緒ちゃんもバンドの1人なんだよ。」
涙がこぼれた。
「でも、ここにはもういられないの……」
「じゃ、今日はどこかホテルに泊まって、これからのことを相談しよう……」
「今までありがとう。迷惑かけてごめんなさい。」と、メッセージを残し、別荘を後にした。
あれから話すことが増えて……
キミから目が離せない
もっと近づきたい
気がつけば笑顔を交わす日々
屈託のない笑顔
キミと会うたびにもっと好きになっていく
キミだけに……どんどん夢中になっていく
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俺と母が住むマンションの上の階にあいてる部屋があった。そこを美緒が借りることになった。
朝起きると、美緒がいた。3人で朝食を食べる。昨日まではこんな展開想像していなかった……会社にでかける母。洗濯に、掃除に……家事をやってくれる美緒。本当にテキパキとこなしていく……
「ありがとう」って言えばよかったのに……
「なんで美緒ちゃんがいるの?」
「やっぱり邪魔だったよね……奥様が、2人も3人も変わらないから、ご飯食べに来れば……って……。その代わりに家事を手伝ってねって……」
「そうだったんだ。別に邪魔じゃないよ。母さんが無理言ってごめんね。うち息子2人だから、娘ができたみたいだって、喜んでるだけだから……」
「私も、嬉しい……」と、微笑んだ
笑顔もかわいい。やっぱり、俺は彼女を好きなんだ……って、自覚した瞬間だった。
「今日の仕事は?」
「午後からだよ」
「じゃ、お昼ご飯作りにきますね」
「え、いいよ……無理してない?」
「無理なんてしてませんよ」
「美緒ちゃんは、どうするの?」
「そのあとで、食べます。気にしないでください」
「俺とでイヤじゃなかったら、一緒に食べない?」
そして、仕事に行く前に2人で食事をする。まるで恋人同士みたいで、ちょっと照れる
これから、こんな生活が続くのかな?
彼の言葉はいつも私の胸に響く
もうちょっと自分のことを好きになれそう
届かないと思っていたあなたに……
今……手を伸ばす……の
あなたに惹かれて恋に落ちる
恋は突然に……
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今まで付き合ってきた人は、みんな他の人とも付き合っていた。みんな同じじゃないのは、わかってる。てもダメなの……人の言葉が信じられなくなって、恋に臆病になっていた。
でも、あなたに会うようになって、ドキンドキン……あぁ……心臓がうるさい……こんなにドキドキしてるのは、私だけで……あなたは平然としている……
「美緒ちゃんは、優しいじゃない……そういうところも好きだって思ったから……」
気のあるような発言……でも、それは恋じゃないってわかってる……でも、どうしよう……たったそれだけで、こんなに嬉しいなんて……
私……あなたのことが好きなんだな……
恋は突然に……
オレだけは何があっても
絶対にキミの味方だから……
キミだけは絶対に守るから……
あらゆる可能性がある
想いの数だけ可能性があふれてる
分岐点に立った今……何を望む?
何を望むかはオレ次第……
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美緒ちゃんが微笑んだ。でも、切なげで寂しそうに見えた。
「どうした?」
「いつまでも、このままじゃいれないんだ……よね……」
「ずっと一緒にいるから、大丈夫……だよ」
「そんなの無理……だよ」
ここで伝えなかったら、チャンスは回ってこないかもしれない。全てはオレ次第……
美緒ちゃんを失いたくないから、愛することをセーブしていたんだ。
「美緒ちゃん……俺は美緒ちゃんが好きなんだ。仕事仲間としてじゃない。1人の男として……」
「何言ってるの……」
「美緒ちゃんは、俺のことをどう思ってる?」
「付き合って、今までの人みたいにダメになった時、私には誰もいなくなっちゃうんだよ……」
「俺はいなくならない。」
「でも……」
「俺は今までどおりなんて、もう無理だ。無理強いはしない。美緒ちゃんがイヤなら……こんなこと聞いて気持ち悪いだろ……」
「そんな……もう会えなくなるなんて、イヤだよ……」
「だったら、美緒ちゃんはどうしたい?」
「今まで通りは無理……なの?」
「ずっとこのままの関係なんて無理だ。変わらなくちゃいけないんだ。」
「うん……私も好きだから……ずっと……一緒にいてくれる?」
「ずっと一緒にいるよ。」
想いが届いた……の?
オレのこと好きになってくれるなんて思ってなかった
好きな人に想ってもらえるだけで
こんなに幸せ……に……
これから一緒に頑張ろう
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気持ちを伝えたのが、夢だったんじゃないかと思うくらい、何も変わらない。
帰りを待っていた美緒ちゃんがソファーで居眠りしていた。寝顔もかわいいなぁ……なんて、バカなことを思っていたら、目を覚ました。
「ごめん……いつの間にか寝てたみたい……ご飯にする?」
「ご飯は食べてきたから……」
「はーい」
美緒ちゃんにキスした。でも、それだけじゃ足りない。全然たりない……よ。こんなにかわいいのに、我慢できるわけないだろ……初めて胸をさわった。
「ちょっ……待って……」
「なんで……俺は美緒ちゃんの恋人だろ?」
「でも……でも……」
「俺は美緒ちゃんと色んなことしたいと思ってた」
「やっぱり……ダメ……」
「俺じゃイヤってことなのか?」
怒りがこみ上げてきた……情けなかった……
「違う……の……怖い……の……」
「俺が怖いのか?」
ますますムカつく……
「初めてだから……」
「え……付き合ったヤツとは……?」
「まだHするってかんじゃなくて、ずっと断ってたら、浮気されちゃったの……」
涙ぐむ美緒……
「ひくよね……こんなの……」
「俺としたくないんじゃないんだよね……?」
小さくうなづいた。
「美緒ちゃんが怖くなくなるまで待つよ。今まで俺がどんだけ我慢してきたと思ってんの?美緒ちゃんの体が目当てじゃない。したくないっていったら、嘘になるけど……ただ美緒ちゃんにいてほしい。美緒ちゃんはただ隣にいてくれればいい。美緒ちゃんがいるだけで嬉しい。」
「他の人のところに行かない?」
「誰が想いを寄せても、俺には関係ない。俺は美緒ちゃんが好きだ。この気持ちは揺るがない。俺はね……美緒ちゃんには笑っててほしいし、笑わせてやりたい。こんな風に涙ぐむ美緒ちゃんを見たいわけじやなかった。ほら、だから笑って」
俺が好きになったのは、美緒ちゃんの笑顔だよ。美緒ちゃんの優しさに惹かれたからだよ。
涙を拭いて……笑顔を見せてくれた
ギュッと抱き寄せた。このぬくもりがあれば大丈夫……
何かが変わる予感がした
この恋がずっと続くか不安だった
全部包み込んでくれるなら
愛をあなたにあげる
気持ちが重なって引っ張られた
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初めて聞いた真実……どうしたらいいの?
「俺、まだ美緒のこと好きでいい?」
「あなたが好きだよ。今までも……これからも……好きだから……私でいいのなら……一緒に進んでいこう……」
「すげーうれしい。ごめん……我慢できない。」
ギュッと抱き寄せられた。
「美緒ちゃんが好きだよ。今までも、これからも……俺を美緒ちゃんに刻ませて……」
初めて……迎える甘い時間……鼓動が重なった……怖かったけど……すっごい幸せ……
感情を表に出すのが苦手で
クールに思われがちで
素直になれないオレは……
うまく言えないけど
キミの前では素直になれた
キミとならいつまでも2人でいられる気がしていた
キミといると別の世界が広がった気がして
キミと会うのが楽しみだったんだ
だえどキミはいなくなった
伝えたい思いがたくさんあるんだ
やっと会えたキミは……
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高校の時、早朝ランニングをしていた。毎日のように出会う新聞配達の女の子。いつも、かわいいなって、目で追ってた。どうしてもきっかけがほしくて、キミの近くに行きたくて……声をかけたんだ。
「おはよう、毎日大変だね。」
「おはようございます。」
思ったとおりの優しい声。ふんわりとしたかわいい笑顔……キミに堕ちていく。
この出会いは、運命だったりするの……かな?全部がかわいくて、ズルいよなぁっ……
それから、毎日挨拶を交わすようになった。でも、それだけじゃ足りない……よ。どうか……いつか……キミの心に……届きますように……
高校のサッカーの試合に応援に来てほしいって言ったら来てくれたんだ。水色のワンピースを着たキミ……かわいい……キミはなんでこんなに俺のことを惹きつけるんだろう……
彼女にいいところを見せたくて、いつも以上に頑張ったら、格上のところに勝てた。試合のあと、彼女を探した
「あんた、彼のまわりをうろちょろしないでくれる?あんたとは住む世界が違うんだよ……」
と言われ、キミが帰ってしまったのを知らなかった。
そして、彼女と会うことはなくなった。
キミのこと、美緒って名前しか知らなかったから……
高校卒業後、サッカーの選手になれた今……美緒ちゃんが会いに来てくれると信じていた。だけど、会いにきてくれることはなかった……
高校の友人で、バンドをやってる友達に久しぶりに会うことになった。彼女をつれてくるって……クソ……バンドも売れてるし、彼女もいて……リア充め……
友達が連れてきた彼女は、美緒ちゃんだった。今までいくつか失恋したけど、こんなに切なくなることはなかった。
アイツより、俺の方が先に出会っていたのに……「好き」って、もっと早く伝えていたら……
そして、美緒ちゃんは……
「初めまして……」って、言ったんだ。あの時のふんわりとしたかわいい笑顔で……
「初めまして……」と、笑顔で返した。笑ってるからって、つらくないわけじゃない。俺にだって限界はあるよ
会いに来てくれると信じていた。だけど、覚えてすらいなかった。それから、サッカーにも身が入らず、不調でレギュラー落ち……