嫌なこともいっぱいあったけど
これも私の生活の一部なんだ
代わりのない私だけの人生
嫌なこともあったけど
幸せなこともあった
心に向き合う
思い出になっても忘れないように
会えない日も大切に生きていこう
いつかはこの関係も変わっていくってわかってる
でも今はこのままでいいなら……
この温かな日々
幸せな日々を守りたい
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兄と暮らす日々。だけど、また今までのように……
1人になると色んなことを思い出して、寂しくなった。人気のない近所の公園のベンチ……ただ涙がでてくる。
「キミ……どうしたの?」
「な……なんでもないんです」
誰かに声をかけられた。でも、涙で顔がわからない。男の人みたい……
「何があったかわからないけど、泣いてる人をほうっておけないよ。」
知らない人の前で恥ずかしい……ぎゅっと抱きしめられた彼の胸が広くて……すがる胸があたたかくて、離れられなかった。
まるで子供をあやすように、頭をポンポンとたたかれた
「体が冷えてるね。コーヒーでも飲む?」
公園の自販機であったかいコーヒーを買ってくれた。あったかい……心にまでしみわたるあたたかさ……
「ありがとうございます。もう大丈夫です。」
涙をぬぐい、立ち上がり、家へと向かった。
普通が一番
特別なことなんて何もいらない
普通でいいの
普通にあこがれる
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今まで色んなことがありすぎて、美緒は家族と過ごす普通の生活にあこがれていた。だけど、いつも相手の気持ちを考えてしまう。兄といても、私といるの面倒くさいんじゃないかな?あの時、頼るべきじゃなかったんじゃないかな?
ここも、居場所がないのは感じていた。
なかなか見つからない仕事。このままでいいわけない。以前バイトしていた喫茶店の店長の紹介で、仕事しはじめた美緒。
もしかしたら……
また彼女が泣いてるんじゃないかと思って
あれからずっと気になっていた
一度だけ会った人
初めて感じるトキメキ
恋の予感……
出会っただけのオレ達
いつかちゃんとした恋になれる?
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大学生の龍一
ずっとサッカーだけをしてきた。今まで女の子と付き合ったこともない。好きって気持ちがどんなものかもわからない。
それなのに、一度会っただけなのに……気になる。胸がドキドキする。彼女のこと、何も知らないのに……涙の理由も知らないのに……泣き顔が頭から離れない……んだ
彼女に出会った公園にまた行く。だけど、あれから一度も会えない……まま……
今度こそ幸せになるために……
本当の幸せを手に入れるために……
もう今までの私とは違う……
生まれ変わるの……
だけどね……
そんなすぎには変われないの……
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兄と暮らし、仕事も決まり順調な……んだけど、弱気になると思い出しちゃう。これでよかったのかもわからない。
1人になると、孤独を感じて涙がでてくる。
あの時の公園のベンチ……だけど、またあの人に会うことはなかった。分かってアクセに、なんで会いたかったの?私は何を期待して、ここにきたの?
恋ってふわふわしたトキメキかと思ってたけど
一度しか会ったことのない人に片想いしてる
あれから……ずっと……
会えなくてもあきらめられなくて
いつかはあきらめられる?
だけどまた会えるかもと思ってしまう自分がいる
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一度だけ会ったことのある彼女……
夢の中では、彼女は恋人なのに……な……
だから……夢でも十分……夢で会えたら……
きっと……彼女は……運命の相手なんだ。きっと……また会える。きじけることなく、前へ進み続ける。
絶対に叶えてみせる。この恋を……
帰れるなら……
帰りたい……?
離れていても
大切な人の笑顔を思い出せる
今は傷つく未来しか見えない
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喫茶店にパパがきた。
戻っておいで……と、言われたけど。「うん」とは言えなかった。
離れていても、笑顔を思い出せる。でも、戻っても……2人だけの気持ちだけでは乗り越えられないものがあることを知っている。私は本当の娘ではないのだから……
あなたに出会えてよかった。いいことばりではないよ。でも、笑っててほしいから……
「今はほっといて……」
「わかった。待つよ……」
出て行く後ろ姿を見送った。これで最後……って気持ちで……
本当の私は欲張りだ
こんな幸せな時間がずっと続いてほしい……
色んなことがあってたくさん泣いた
色んなことを思い出して不安になる
優しくしてくれてるのに
なかなか立ち直れないでいた
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幸せな時間がずっと続かないって、知ってるから……今の幸せも続かない気がして不安を拭えなかった。
それが兄にも伝わっていたんだと思う。
「もう……限界……このままじゃ……」
「な……何を言ってんの?」
「美緒は、今まで辛いことがたくさんあったのは分かってるつもりだよ。だけど、それも全部俺達がまた出会うためだったんじゃないかって、今は思うんだ。色んなことがなければまた一緒に暮らせてない。何があっても、美緒は俺の妹だ」
兄の言葉に涙がこぼれた。
気持ちの壁……全部なくして……
離れたくない。離したくない。たった一人の兄……なんだ。多分また泣くけど……その時は……1人じゃない……
オレは一途だから
いつまでもキミだけが好き
いつのまにか特別になっちゃった
どうしてこんなことになっちやったんだろう?
どうしたらいいか……わかんな……
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彼女が誰なのかもわからない。それでも忘れられない。ズキューン……心に刺さった恋の矢が抜けない。今まで感じたことのない感情。
大学の帰り道……急に雨に降られて……近くの喫茶店に入った。俺のハート泥棒……やっと見つけた。あの時とは違って、笑顔を見て……高鳴る心音……
やっぱり……彼女と出会えた。彼女との繋がりを感じ……た。だけど、彼女は全く気づかない。チラッと見た名札に、桜井って書いてあった。
もう……誰かと付き合うとか考えられない
終わった恋を引きづって
悲しみを忘れられないならば
抱えて生きていくしかない
そうしたら……いつか……
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最近よく1人でくる大学生
たまに話すようになり、2人の中は急接近。話しやすくて……
思わず笑顔をこぼすと
「桜ちゃん、笑顔すごいかわいー」
「え?」
ポッと頬が赤くなる。お世辞だってわかってるのに……
優しい人だなぁ……
そんな時に、先輩の店員に呼ばれた。
「何……仕事しないでさぼってんの……?」
「そんなつもりじゃ……」
「これからは、私が彼の担当になるから」
「は……はい。すみませんでした……」
ちょっと仲良くなれたつもりでいた。でも、その気になっていたのは、私だけ……先輩と話している彼は笑顔だった。前の彼の時のことを思い出していた。やっぱり、みんな綺麗な人が好きなんだなー……
もうあの時のような想いはしたくないな……