好きだった彼と別れて
新しい生活を始めた
だけどそんな急に変われない
忘れなきゃって思うのに
元気にしてるかなとか考えてる
全然ダメだ
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なんとか仕事も順調に進み、兄に連絡をした。彼のことも聞きたかったし……
あれからすぐに彼が来たことを聞いた。自分から離れたのに、離れたのがよかったのかもわからなくなった。だけど、そのあと「美緒と別れたあと、あの喫茶店の店員の子と付き合っていたぞ……」って、聞いた。忘れられないのは、私だけだったんだ。私は何を期待していたの?なんかバカだよね私……ほんとバカ……もう忘れなきゃ……
私……幸せになれる気がしない。どうやったら、幸せになれるんだろう……
「どうせ私なんて……」
自分に自信がなくて
どんどんひねくれていく心
だけど優しさにふれて……
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仕事にも慣れてきた。1人でも生きていけると思っていた。だけど、心の底では寂しさを埋めてくれる人がほしかった。
お客様がきた。なんでこんなところで出会ってしまうんだろ……
「なんで、こんなところにあんたがいるのよ……」
「ここで働いているので……」
「ふぅーん……そうなんだ」
両親がいないことや、高校生のときバイトばかりしていて、おばあちゃんと貧乏な生活をしていたことを話していた。確かに……全部事実だもの……ここも辞めなきゃなのかな……
「ほんと……いやね……」
やっぱり……いやだやね……
「わざわざそんな話をするなんて……桜井さんはキチンと仕事をしているし、そんなの関係ないわよ。」
え……
「そんな貧乏な人を雇うなんて……」
「あなたって、本当に性格悪いのね。息子とお見合いって話だったけど、こんな人じゃ嫌だわ。今回のお話はなかったことにしてくださいね。おばさまも、こんな人を紹介するなんて……2人とも、もう帰ってきださいね」
帰っていく2人……
「奥様……隠していてすみませんでした……」
「言いたくないことくらい誰にだってあるわよ。気にすることないわ。真実ってそんなに大事?あなたが悪いことをしたわけじゃない。ちゃんと仕事をしてるんだから、それでいいのよ。」
ひねくれていた心が、優しさにふれて……
時間が心の傷を癒やしてくれたのかもしれない
違う……
みんなのおかげで……
毎日……毎日……同じように流れていく時間
私はまだここにいたかった
私は今はとても幸せ
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いつのまにか、季節は夏へと移り変わる。ギラギラの太陽を見上げたら、目が痛いくらいに眩しかった。まるでここの人達のように……まぶしかった。
なんか嬉しい。これから何かがおこりそうで、ワクワクする。この間まで、あんなに落ち込んでいたのに、私って単純……
いつまでも落ち込んでなんていられない。
涙があふれて……止まらず……
次から次から頬を伝う
寂しさと切なさで押しつぶされそう
胸がグッとつまって痛い
ひとりぼっち……
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仕事が終わり、部屋に戻る。ひとりぼっちでいると、涙が止まらない。何やってんだろ……私……深いため息……
1人になると、寂しくてたまらなくなる。私には、誰もいないんた……そんな時、話す相手もいない……
会えば会うほど……
オレの中で彼女の存在は大きくなっていた
彼女の記憶の中にオレはいる?
彼女と話せるようになるたび
もっと仲良くなりたいって思っていた
募る想いはオレを欲張りにしていく
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早起きは苦手だった。だけど、彼女が来るようになってから、早起きできるようになっていた。朝、仕事に行く前に少しだけ話せることが癒やしの時間だった。今日も頑張ろうと思えた。
父親の会社に入ったけど、またまだ半人前ってわかってる。少しだけでも認めてもらえるように頑張っていた。だけど、母親のせいで取引をやめると言われた。なんで俺の邪魔するんだよ。母親と喧嘩になった……イライラしながら、仕事に行った。
取引先と和解し、ほっとした。
家に帰ると、彼女が仕事を辞めていた。そして、母親も家を出ていた。どうして……?
そして、初めて知った。彼女を辞めさせることに母親が反対していたこと……見合いの話を断っていたこと……
仕事がうまくいったら、彼女に気持ちを伝えようと思っていたのに、彼女を辞めさせたのはオレなんだ……オレはなんのために……取引を成功させたんだろう……
この幸せが壊れないでほしいって思っていた
あの時の私は幸せが崩れ始めていること
幸せを感じて気づかなかったんた
これが現実……
切なくて……苦しくて……
何を期待いていたんだろ……私……
かすかな期待をしていた
でも最初から無理だったんだ
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寂しさは感じていたけど、仕事にやりがいを感じて幸せに生活をしていた。このまま続くと思っていた。
あの時、彼女の言うことを聞いていればよかった。あの時のことが原因で奥様と龍一が揉めていた。あぁ、やっぱりここにも私の居場所はなかったんだ。
退職届を書いて、また仕事を辞めた。
部屋で1人で泣いた。
でも、いつまでも泣いてるわけにはいかない。仕事を探しはじめた。
もしも……願いが叶うなら……
どんなに想っても……
あなたは応えてくれない
あなたは俺なんて見てない
そんなのわかってるよ
それでもあなたに会いたい
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美緒は知らない。俺には秘密がある。
母さんが美緒だけを連れて家を出た。俺も一緒に行きたかった。だけど、わかってる。俺とは血のつながりも何もないんだから……
俺の本当の母親は……毎夜ホスト通いして、遊びまくって父と俺が2才の時に離婚したと聞いていた。覚えてることなんて、ひとつもなかった。そして、美緒の母親はバツイチっていっても、美緒が生まれてすぐに父親が交通事故で亡くなった。そのあとはおばあちゃんと3人で暮らしながら、うちの会社で働いていた。その後、再婚した。仕事で忙しい父との暮らしだった家が、笑顔に包まれた幸せな家庭になった。あの頃は、本当に幸せだった。
2人が出て行ってから、また2人の生活。寂しくて……寂しくて……心に穴が開いた。たまに2人と会えることだけが、幸せを感じられた。
俺が女嫌いっていうのは、事実だけど、本当は違う。好きな人がいないわけじゃないんだ。自分の気持ちに気づいたのは、美緒に彼が出来たと知った時……そんな話は聞きたくない。嫉妬に狂う自分に驚いた。そして、彼と別れたと聞いて、なぐさめながらも、心の中では喜んでた。
おばあちゃんも亡くなり、1人になった美緒がうちにきてくれた。一緒にいると、嬉しいことが増えていった。毎日が幸せだった。
そんな幸せを壊したあの男が許せなかった。別れてすぐに他の女と付き合ってるこもを知り、すぐに美緒に連絡した。傷ついた美緒に言うべきじゃないのに……
俺は待つだけだった。ひたすら待っていた。美緒からの電話を……だけど、全然連絡なんてこない。まるで、俺なんて必要ないって言われてるみたいだ。
俺の気持ちなんて、何もしらないで……
これで最後でもいいから、もう一度だけ会いたい……よ
だから、前に教えてもらった美緒の部屋を訪ねた。また会えると思っただけで、ドキドキする。
出てきた美緒は、泣き腫らして……まだ、あの男のことを忘れられないのかと、心の中では嫉妬に狂いそうだった。ても、美緒の言葉は意外なもので……それならうちにこい……って、言った。
翌朝、本当に美緒がきた。もう離さないから……
抱き寄せた美緒のぬくもりにホッとした。本当に美緒がいる……夢じゃないんだ……俺の幸せは、美緒が一緒にいてくれること。これがかけがえのない幸せなんだ。
俺の心の中に、優しく差し込む光……
何もかもうまくいかない
この先もこんなことが続くのかと
うんざりしていた
もう……どうでもよかった
でもどうしてだろう?
私は泣いていた
涙は次から次へと流れる
涙はぽたりと落ちた
未来を思ってあふれ出した感情
_________________________________________うまくいかないことばかり……どこか、諦めていた。全てどうでもよかった。
でも、涙があふれて止まらず……
ここで諦めたら、私の未来は……
こんなところで諦めてなんていられない。私の未来は私が切り開く。
やっと見つかった仕事。受かるなんて思っていなかったんだ。よく喫茶店にきていたおじいさんが、この会社の会長だと知った。あの出会いが、ここにつながっていたんだ。今までのこと、無駄なことばかりじゃなかったんだね……
いつもと変わらない毎日
なにひとつ変わらない
いつのまにか……
あんなに痛かった胸の苦しみもなくなっていた
切なさで押しつぶされそうな感情もなくなっていた
想い出もいつのまにかセピア色に変わっていた
本当に恋が終わった瞬間……
幸せになるって難しい……ね
だから「幸せになりたい」って思うのかな?
どうやったら私は幸せになれるの?
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会社と家の往復だけの毎日……代わり映えのない毎日……
だけど、忙しく仕事をしていると、色んなことを考えずにすんだ。
そんな中でも、まだ彼のことを思い出すことがある。あの頃の私は……誰かに寄りかかり、寂しさを埋めたいと思っていた。彼の優しさに安心していた。彼の優しさに甘えて、見たくない現実から逃げていただけだったのかもしれない。
客観的に昔の自分を考えていて、彼との想い出がセピア色に変わっていたことに気づいた。彼との恋が本当に終わった瞬間……
少しは強くなれたのかな?
だけど、幸せにはなれない。どうやったら幸せになれるんだろう……全然幸せになれる気がしない……幸せな人って、どうやって幸せになったんだろう……
1人で、家でご飯を作って食べて……でも、1人で食べるご飯はおいしくない……の……今までと同じ味のはずなのに……