結局オフィーリアが俺をどう思っているのか聞く事は出来なかった。

「機会はいつでも」

【ある】と言い掛けて俺は頭を左右に振る。
 
機会なんていつやって来るか分からない。オフィーリアには時間がないんだ。

「よし!」
 
とりあえずミリィに声を掛けた俺は、そのまま二階の書斎部屋へと向かった。

「まずは情報収集だ」
 
命を与えてくれる宝石についての情報と、星の涙に関する情報を一刻も早く集めなければ。

★ ★ ★

ブラッドが部屋から出て行ってしばらく経った後、私はミリィと一緒に夕食の準備をしていた。

今夜の夕食のメニューは、ブラッドの好物であるクリームシチューらしい。

「すみません、手伝わせちゃって」

「大丈夫よ。料理するのは楽しいから」
 
こうして誰かと料理するのは本当に久しぶりだった。

それにミリィはサーニャみたいな子で、隣りに居て話していると楽しくなってくる。

「ブラッドったら、書斎部屋に入ったきり未だに出て来ないなんて」
 
ミリィの言う通り、ブラッドはお昼も食べずに書斎部屋にこもったまま出て来ていない。


さっき来た人の話しに関係しているのだろうか?

「あの……オフィーリア。一つ聞いてもいいですか?」

「なに?」
 
ミリィは少し気まずそうにしながら聞いてくる。

「オフィーリアはブラッドが怪盗レッドアイだって、知っているんですよね?」

「うん。本人から直接聞いたよ」
 
私の言葉にミリィはなぜか視線を下に投げた。その様子に首を傾げる。