「ちなみにどんな感じの目つきなんだ?」

「愛しい人を見るような目つき」
 
俺たちは顔を見合わせると一緒に叫ぶ。

「愛しい人?!」

「愛しい人?!」
 
いきなり何を言い出すんだ! 

愛しい人を見るような目つきって、それじゃあまるで……もちろんそうなったら嬉しいけど、鈍いオフィーリアがそんな風に俺を見ているなんて信じられないんだが。

「オフィーリアはブラッドの事、好きじゃないんですか?」
 
ミリィは真実を追求するように彼女に追い打ちをかける。そして案の定、オフィーリアは顔を真っ赤にして口をパクパクさせていた。
 
思ったより同様してるな……。

「おいミリィ! オフィーリアが困ってるだろ? オフィーリアが俺を好きとか」

「ブラッドは黙ってて!!!」

「はいっ!」
 
鋭い目つきにどすの利いた声でそう言われたら、何も言い返せなくなってしまう。

「わ、私は……」
 
オフィーリアは自身を落ち着かせるために一旦息を吐く。

彼女がどんな応えを出すのか気になるけど、こういう場面で聞くのは違う気がする。

オフィーリアの中で直ぐに考えはまとまらないだろうし、焦って簡単に応えを出してほしくない。

そう思って口を開きかけた時。
 
ピンポーン──
 
誰かが屋敷のインターホンを鳴らしたようだ。

「誰か来たみたいだな」
 
するとムッとして頬を膨らませるミリィは、屋敷の玄関に向かい始める。

「もう誰よ! 良いところだったのに!」
 
ぶつぶつと文句を言いながら、ミリィは部屋から出て行った。

「はあ……」
 
ミリィが部屋を出て行った事を確認した俺たちは深く息を吐く。