「中に入ってみろよ」
 
俺は屋敷の扉を開ける。オフィーリアは興味津々で先に中へと入り、俺もその後に続いて屋敷の中に入る。

「下の階はあまり変わっていないけど、カーペットやカーテンの色は変わってる。後はお風呂が広くなったり、二階に部屋が増えたり」

「じゃあ一緒に見て回りましょう」

「……そうだな」
 
そのあと俺たちは新しく再建築した屋敷の中を見て回り、時間になってやって来たミリィは声を上げて驚いていた。

☆ ☆ ☆

「ちょっとこれはどういう事なのよ!」

「え、えっとだな、急に再建築したくなったんだよ」
 
ミリィは顳かみをピクピクさせながら、怖い形相で俺をじっと見てくる。

「それで勝手に再建築したんだ。私に何の相談もしないでさ」
 
その言葉に少なからずカチンと来た俺は言い返す。

「別に良いだろ! ここは俺の屋敷なんだし、どういじろうが俺の勝手だろ?」

「そ、そうだけど」
 
いったい何が気に入らないんだ? 来てそうそう怒鳴るものでもないだろうし。

こうなったミリィの機嫌を取るのは難しい。ほんとの事を話すわけにも行かないし。

「それでせっかくオフィーリアと部屋を別けたのに、まさか一緒の部屋にするなんて」

「いや、それはだな!」
 
ここは俺が何を言ってもミリィは聞く耳を持たないだろう。俺は助けを求めるようにオフィーリアに視線を送る。
 
オフィーリアは俺の視線に気がつくと察したのか代わりに話し出す。