「あぁ。私はこの時をずっと待っていた……ッ!!
アノ人を殺したあの女に復讐するこの時を……ッ!!」



「チッ、シヴァ!!真琴はどうなってる!?」



〈……力が暴走してる。
起承転結と段階があると聞いていたけど……あれは"結"まで解放されかけてるね。〉



結……もうほぼ全部じゃねぇか。



「来都!!駄目だ、近づけないッ!!」



「近づこうとしたら弾かれちゃう!!」



光はどんどん大きくなっていた。



強硬手段を取るしかなかった。










「楽、お前の能力で真琴を閉じ込めろ。
桜悠、"柔"を自分以外のヤツにかけられるか?」



「やったことないけど……そんなこと言ってられないね。」



「あぁ。今回の俺たちの仕事は"殺す"ことじゃねぇ。
アイツを"助ける"ことだ。」



もしかしたらこれがアイツに出来る最後のことかもしれない。



でも、それでもいい。



もう覚悟は決めた。



きっとあいつらも。



「サラ!!」〈はい!!〉



「"柔"。」〈あいヨ!!〉



楽は水を、桜悠は風を生み出した。



『ぁ……うぁ……ぁぁあッ!!!』



楽の能力で水球に閉じ込め、桜悠の風で外側から圧迫するが、やはり第一神賢者なだけあって力は抑えきれないか。



しかも、一番厄介なのは……相手が真琴だということ。



俺たちにとって誰かを助ける力の使い方は初で、コントロールが難しい。










『いやあぁぁぁぁぁあッ!!!!』



「ぐぁッ!!」「が……ッ!!」



チッ、そう簡単にはいかねぇか……。



水球を内側から爆発させた真琴は、俯きながら立っていた。



そして、ゆらりと顔を上げた真琴の瞳は……赤く光っていた。










『あぁぁぁァァァアア"ア"ア"ッッ!!!!!』



頭を抑えながらひたすら叫び続ける真琴から放たれる光は増し……事態は急変した。