(星嶺〈皇帝〉side)
「事態は滞りなく進行しております。」
街を見下ろすボスの背に報告をする。
「そうか。
本当は黒蜥蜴に一任してるんだが、どうも心配でな。
お前は保険だが、いざという時には構わない。」
黒蜥蜴が仕留め損ねた時の保険。
だが、それで構わない。
「はい。畏まりました。」
ようやくここまで来た。
黒蜥蜴はきっと手を下さない。
それをずっと待っていた。
やっと……やっとアノ人の無念を晴らせる。
部屋を出ると、壁に寄りかかる"帝王"がいた。
「行くぞ。」
「はい……。」
このチャンスを逃すものか。
真実を知る舞台も、
それを作り出すキャストも、
時を刻む時間も、
全て私の手のひらの上にある。
さぁ……復讐の始まりだ。
end