親に相談すると嬉しそうに喜んでくれた。


耳が聞こえるかもしれない、それは本当に嬉しい。


でも、樹や詩織と離れたくない。


母親は自分の好きにしなさいと言ってくれた。


どうするか1日中家のソファで考えても全然ダメで、散歩することにした。


すると、後ろから聞き覚えのある声がして、


「蒼瀬さーん!」


俺に向かって走ってきたのは袋をいっぱい持った歌奈だった。


「久しぶりだね。それ、おつかい頼まれたの?」


「そうなんですよー。お姉ちゃん今日友達と遊びに行ってて。良かったら、寄っていきませんか?」