吉良先生は既に教室に来て生徒に囲まれていた。



特に女子生徒に。



「先生は結婚してるのー？」



「彼女はー？」



「何故俺が生徒に
そんな事を話さなきゃならない。
そんな事より予習でもしてろ。」



「もー先生冷たーい！」



冷たくされても、
ハートが強い女子生徒達はめげない。



「冗談言ってないで席着け。授業始める。」



やっぱり冷たく言い放つ先生。
でもあの時の優しい目は嘘とは思えない。



先生が冷たくするのは、なんとなく、
本当の自分を隠してるからな気がする…。



「━━…さん、瀧沢さん。」



「あっ！は、はいっ！」



「何の事考えてたか知りませんが、
今は授業に集中してください。
7ページの3行目から━━━━…。」