「そうか。友達いないのか。」



「クラスが違うだけで友達はいますよっ!」



「くく…お前、からかいがいがあるな。」



「…そういう先生はお昼食べたんですか。」



「いや、仕事が溜まっててな。
今は息抜きだ。
それに男のひとり暮らしだと、
弁当作ってくれる奴もいないからな。」



ひとり暮らしって事は結婚してないって事かな。



先生は携帯灰皿に煙草を押し付ける。



「そろそろ俺は戻る。
お前早くしないと食べる時間なくなるぞ?」



「あっ…!」



「じゃーな。…あ。
煙草吸ってたのは誰にも言うなよ。
それから次の授業は古典だ。遅れるなよー。」



先生は煙草の匂いを残して校内へ入って行った。



私はお弁当を急いで食べて教室に戻った。