言葉とは裏腹に
メガネの奥の優しい目にドキッとする。



「そんな笑わなくても…そんな珍しいですか?」



「珍しいだろ。
少なくとも俺は見た事がない。
もしかしてお前、天然なのか?」



中学の時も言われた事あるけど、
自分では全く自覚はない。
私って天然なの?



「笑って悪かったな。
早く教室に行け、遅刻するぞ。」



キーンコーン。チャイムが鳴る。



「あっ!…じゃあ、私、行きますね。」



私は背を向けて走る。



あの人、ここの先生なのかな?
喋り方はちょっとあれだけど、
根は優しい人だってあの目を見たら分かる。
あんな先生が担任だったらいいなぁ…。



教室に行くと、
黒板に貼られた紙で自分の席を確認する。
席に行くと隣の男子に話し掛けられた。