桜がひらひら舞う春の日、
私は花が丘高等学校に入学した。



校門を潜り、目を閉じて 空気を吸う。
涼しい春風が体に吹き付け、
桜の香りがふんわりと香る。



瀧沢あかり、晴れて今日から女子高生です!



「ぷっ…。」



「……へ?」



目を開くと、目の前には
ワイシャツに黒のズボンの男の人が立っていた。



私は周りを見渡すも、
ここには私と男の人しかいない。



「お前だよ、お前。」



笑われてるのは自分なのだと気付く。
けれど、なぜ笑われたのか分からない。



「…なんで今笑ったんですか?」



「いや…今時、少女マンガみたいな事する奴がいるんだなと思って。」