「いってらっしゃいませ、お嬢様。」



花が丘高等学校普通科3年、二条 蕾菜。
只今リムジンで登校中。



私は父が二条グループという大企業の社長で、いわゆるお金持ちのお嬢様。



そしてリムジンのドアを開けるのは、
私専属の執事、真澄 遼太郎。
容姿端麗、スポーツ万能、紳士的、頭脳明晰。ついでにメガネ。



パッと見、非の打ち所がないくらいの完璧メガネ男。



けれど、彼には重大な欠点がある。



「蕾奈様、お履物です。温めて置きました。」



「━━━━…真澄。」



「はい、なんでしょう?」