放課後の花が丘高等学校特進科の3階廊下。



用事があって3年生の教室に来ていた
2年の美羽は用を終えてこれから帰る所だった。



階段を3段程降りた所で名前を呼ばれた。



「愛沢美羽。」



後ろを振り返ると、
メガネをかけた男子生徒が仁王立ちしている。



ネクタイの色が赤色だから、恐らく3年生。



「な…なんですか?」



「一緒に生徒会室に来い。」



その男子生徒は強引に私の手を引っ張っていく。



「えっ、ちょっと離してよっ!」



「うるさい、黙れ。」



「ちゃんと説明してっ!」



男子生徒は立ち止まり、私にそう告げた。