「そうなんだ…。」



うぅ…凄く気まずい。



「次のこのボール、もしシュートしたら、
伝えたい事あるんだ。聞いてくれる?」



「…うん。」



「ありがとう。」



そういうと、
スリーポイントラインに立った笹原君は
狙いを定めてボールを放った。



そのボールは弧を描き、
ゴール周りに当たる事なく、綺麗にシュートした。



「す…すごい…。」



「俺……ずっと渡辺の事が好きだったんだ。」



「え……?」



「入学式から少しして、
桜の木を見上げる女の子を見たんだ。」