「あ、俺、汗くさくない?
一応、制汗スプレーしたんだけど!」



シャツの匂いをくんくんと嗅いでいる笹原君。その姿がなんだか可笑しくて笑ってしまう。



「ふふ、全然大丈夫だよ。」



「渡辺って、笑うと可愛いよな。」



「えっ…。」



「あ、いや。じゃあ俺、こっちだから。
気を付けて帰れよ。じゃーな!」



「あ、うん、じゃあね。」



その場に立ち尽くす私。



あれ、さっき、
なんかとんでもない事言われた様な…。



いやいや、こんな地味な私にありえない!
早く家に帰ろう。