「あのぉ...、あたしの事、忘れてません?」



奈緒が後ろから切ない顔をして出てくる。



「あ。忘れてたわー」



「ひどっ!!もう姫華嫌いだわー」



「うそうそ、ごめんって。ってか、私は奈緒のこと大好きだけど??」



「うっ...、ゆ、許す!!」



「調子に乗るな」



「ハイ、スミマセン」



「お前らいいコンビだな」



お腹を抱えて笑っている王子が言う。



「俺もお姫様に大好きって言ってもらえるよう頑張っちゃおっかな〜」



「は?ごめん言う予定一切ない」



「あたしなら毎日言いますよ!」



そんなことを言っている奈緒はスルーして、王子はおどけたように笑う。



「へぇ、いいじゃん。じゃあ勝負な」