佳史のSRXはハイサイドを起こ
し、横へ滑りガードレールへ突っ
込んでいった。佳史は転がり対向
車に巻き込まれ、そのクルマの後
ろからパタパタっと出てきたとき
には、両足があらぬ方を向いてい
た。
「ヤッちまった・・・」
佳史にとって、初めてのバイク事
故。
佳史は悲しかった。
自分の不甲斐無さに心が挫けた。
対向車の後ろを走っていたツーリ
ング途中の若者数名が、救急車の
手配と佳史の世話をしてくれた。
佳史は背負っていたリュックを背
もたれにして、道路へ仰向けに寝
転んでいた。少し前を走っていた
哲真は先に頂上に着いていたが、
佳史がなかなか来ないことを不安
に思い、慌てて峠を下り始めた。
そこで見たのは、ボロボロになっ
たトレーナーとジーンズを纏った
親友の姿だった。哲真は一瞬、背
筋に冷たい風がすり抜けるような
感覚を覚えた。
し、横へ滑りガードレールへ突っ
込んでいった。佳史は転がり対向
車に巻き込まれ、そのクルマの後
ろからパタパタっと出てきたとき
には、両足があらぬ方を向いてい
た。
「ヤッちまった・・・」
佳史にとって、初めてのバイク事
故。
佳史は悲しかった。
自分の不甲斐無さに心が挫けた。
対向車の後ろを走っていたツーリ
ング途中の若者数名が、救急車の
手配と佳史の世話をしてくれた。
佳史は背負っていたリュックを背
もたれにして、道路へ仰向けに寝
転んでいた。少し前を走っていた
哲真は先に頂上に着いていたが、
佳史がなかなか来ないことを不安
に思い、慌てて峠を下り始めた。
そこで見たのは、ボロボロになっ
たトレーナーとジーンズを纏った
親友の姿だった。哲真は一瞬、背
筋に冷たい風がすり抜けるような
感覚を覚えた。