実際に佳史自身、軽くめまいも感
じていたし、いつもより呼吸も速
かった。やはり普通の状態でいら
れるわけはなかった。それでも佳
史は冷静にいた。ケガのせいか異
常なほど喉が渇き、周りの人間に
向かって呼びかけた。
「すいませーん! 誰か飲み物持
ってないですかぁー!?」
若者の一人が飲みかけのレモンテ
ィーを「これでもイイですか?」
と言って、差し出してくれた。こ
んなときでも、知らない同性との
『間接キス』に一瞬のためらいを
感じつつも、そのレモンティーを
もらって飲んだ。
「おいしい♪」
もちろん、『性』ではなく『生命
』の悦びから出た言葉だ。次に佳
史が感じたことは、「たばこが吸
いたい!」であった。
じていたし、いつもより呼吸も速
かった。やはり普通の状態でいら
れるわけはなかった。それでも佳
史は冷静にいた。ケガのせいか異
常なほど喉が渇き、周りの人間に
向かって呼びかけた。
「すいませーん! 誰か飲み物持
ってないですかぁー!?」
若者の一人が飲みかけのレモンテ
ィーを「これでもイイですか?」
と言って、差し出してくれた。こ
んなときでも、知らない同性との
『間接キス』に一瞬のためらいを
感じつつも、そのレモンティーを
もらって飲んだ。
「おいしい♪」
もちろん、『性』ではなく『生命
』の悦びから出た言葉だ。次に佳
史が感じたことは、「たばこが吸
いたい!」であった。