「櫻ちゃんだ…」


余命宣告された翌日、
通学路で櫻ちゃんを見つけた。



艶やかな黒髪がさらさらと風になびいて
周りの女の子がチラチラ見てるから


あ、絶対…櫻ちゃんだって。


「櫻ちゃんっ、おはよう!」


出来るだけ、いつも通り。

気付かれないように、笑って。

なのに………



「今日…元気ないな」

そう言って私の髪をなでるんだ。


どうして、気付くの。

「そんなことないよ」