そーちゃんは。



いつもどこか冷めていて。



レースに出ている時も。



普段仕事をしている時も。



まだ付き合う前に。

出会った頃は。

横に拓海くんがいないと。

話出来なかった。



それくらい近寄りがたい雰囲気を持っていた。



産みの母親に今日、初めてあったそーちゃん。

またそんな雰囲気を漂わせていたのが気になって。

堪らなく辛い。





「ごめん、真由」

きっと、私。

すごく悲しい顔をしていたと思う。

そーちゃんは私の額に口づけた。

「もう二度と、あんな事は言わないから…」

私はその言葉を信じて頷いた。