これ以上。

そーちゃんが自分の存在を否定するような事を言って欲しくなかった。

握りしめた手を更に強く握った。



「父さん、もういいかな?」

そーちゃんは立ち上がると私の手を引っ張った。

「これ以上、ここにいても無駄だから。
今日はありがとう」

そう言って、大きくため息をついた。

そーちゃんは私の肩を抱いて歩き始める。

その手は微かに震えていて。

私はやり場のない怒りを抑えるのが精一杯だった。