「俺はね」

目の前の真由ちゃんは泣いていた。

「お腹にいる子供が、俺みたいな人生を歩んで欲しくない。」

真由ちゃんはその言葉に頷く。

「すぐに結婚なんて、出来ないけど、お互いをわかりあう為に付き合うのはありじゃない？
合わなければ、結婚しなくていいし」

真由ちゃんは涙を拭きながら少し笑って

「私はまだ、拓海くんの事が忘れられないし、今後もし、総一さんと結婚してもきっと拓海くんの事がついて回ると思います。
それでも大丈夫ですか？」

その問いに俺はもちろん、と答えた。

お腹の子供が拓海の子供なのだから、ついて回るに決まっているし。

また真由ちゃんが簡単に拓海を忘れるのなら俺は失望してしまう。

そんな複雑な想いは色々あるけれど。

これから先に上手く進めるような展開に持って行くのは大事だと思う。

「じゃあ、お付き合いしてください」

真由ちゃんはそう言った。

「こちらこそ、よろしく」