どこかのファミレスで話をする案もあったけど。

ちゃんと、ゆっくり話をしたかったので総一さんのマンションへ向かった。

まさか2日連続で訪れるとは思いもせず。

「お茶でいい?」

その言葉に私は頷いた。

「話って?」

総一さんは私の目の前に座るとすぐにそう切り出した。

私は大きく息を吸って

「どうして。私を救おうとしたのですか?」

総一さんは苦笑いをして、

「さあ?
気がつけばいつの間にかそう言ってたから」

総一さんはどこかはぐらかそうとしている気がした。

「答えになってない」

私は頬を膨らませた。

「今後、何も事情の知らない男の元へ真由ちゃんと子供が行くくらいなら俺の所の方がいいと思っただけだよ」

「それだけで、結婚しようと?」

総一さんの目を見つめた。

まだ、何か大切な事があるはず。

「俺くらいの歳になってくると、結婚なんて恋愛だろうが見合いだろうが紹介だろうが関係ないし。
こういう形もありだよ」

総一さんは一瞬、私から目を逸らして、すぐに戻すとその瞳には覚悟みたいなのが見えていた。

「まさか、俺も親父と一緒の人生を歩むとは思わなかったけど」