「真由」

かれんは私に言い聞かせるように続けた。

「その人ともし、真由が結婚したとしても私は柏原を裏切った事にならないと思う。
柏原は、真由が辛い思いをせずに生きていく事を望んでいたのだから」





電話を切って。

私はしばらく電話を見つめていた。





どうしたらいい?





1時間ほど悩んでから。

私は家に帰る前に渡されたメモ用紙を開いた。

そこには総一さんの電話番号が書かれている。