『どう?変化あった?』

その夜、そーちゃんが心配して電話をかけてきた。

「何にもない〜」

私はお腹に手を当てる。

お腹が張ったり、軽い痛みはあるけど。

もうすぐ、生まれるのには間違いない。

でも、私は生まれる喜びよりも日に日に不安の方が大きくなっている。



この時期に。

そーちゃんがレースなのはちょっとキツイ。

もし、いない時だったらどうしよう…

そーちゃんは立ち会いを希望してるから、万が一レース中だったりしたらショックだろうし。

『また、電話するよ。
…社長が呼んでるから』

そーちゃんは慌ただしく電話を切った。

私も切る。



思わず、大きなため息をついてしまった。