「ごめんごめん、言い方間違えちゃったね。
…慣れてるっていうか、
気にしてない、っていうか。
とにかく、あんなセンセーの言葉は
ハイハイ言っとけばいいの。
…後輩くんも気にしちゃだめだからね」
あたしがそう言うと
後輩くんは「…はい」と頷いた。
それと同時に、掴まれていた手を離される。
「…まぁ、あの人が言ってることも
正論なんだけどね」
「…え?」
「だってほら、
あたしと後輩くんは、確かに正反対だよ…!」
「……」
期待の星。
学校のお荷物。
こんなにも真逆なのに
なんであたしたち接点あるんだろう…ってたまに不思議に思うけど…楽しいからそれでよし。
「……島崎先輩と、おんなじこと言うんですね」
__ボソリと聞こえた後輩くんの声。
だけどその全部は、あたしには届かなくて…
「…ん?島崎がなんて?」と聞き返した。
すると、後輩くんはニコッと微笑んで
「……もしかして、さっき言ってた
カルシウム不足の友達って
島崎先輩のことですか?」と見事に言い当てた。
「えーよく分かったね。
まぁでも、わたるが機嫌良いときなんて
ほとんどないけどね」
逆に、上機嫌なわたるを想像すると
……鳥肌。
「って、長々話し込んじゃってごめんね」
「あ、いえ」
「……それと。
さっきの言葉、嬉しかったよ」
「…え?」
「ありがとね」
そう言って微笑んだあと、
あたしは次こそ教室へ向かった……__