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「……やけにあいつに懐いてるけど
……何が目的?」



茉梨乃を教室に行かせたあと
俺はそんなことを聞いてみる。



「目的、ですか?」



真面目な話をしてんのに、
ニコニコしながら首を傾げるコイツのことが
どうも気に食わねえ。



……まぁ、気に食わないのは
それ以外にもあるんだけど…

って、そんなことはどうだっていい。



「……どー考えてもおかしいだろ。
おまえと茉梨乃、タイプが違いすぎんだよ」



「えー、そうですか?」



「そうだよ、真逆だよ」



……大体、茉梨乃が周りから
なんて言われてんのか、分かってんのかコイツ…。



「………島崎先輩って、
茉梨乃先輩と付き合ってるんですか?」



「………は!?」



「以前から先輩のこと、
すごく気にしていらっしゃるから……違ったらすみません」



「ちげーよ。あいつとはただのダチに
決まってんだろ」



なにを言い出すんだコイツは……。



「へえ、そうなんですね。
でも、それなら良かったです。」



そう言って、奴はふっと口角を上げた。



「……あ?」



「そろそろ戻っても良いですか?」



「……あぁ。でも最後に1つ。
暇つぶしなのか知らねえけど
もうあいつに構うのやめろよ。

……お前と関わると、もともと無いあいつの株が、女子の妬みでさらに下がんだよ。」



そう言って、イライラしてる頭を冷やすために、俺は教室とは反対側の方向へ歩き出した。





『__あいつとはただの友達だよ。』



『__へえ、そうなんですね。
でも、それなら良かったです。』





……あいつの言葉が脳内をリピートする。



「……なにが良かったです、だよ……。
イライラすんなぁ…」



と、そんなことばかり考えていたから…





「……なんで俺が構ってるみたいになってんだよ。



遊ばれてんのは俺の方だろ」





なんて、後ろで奴がそんなことを呟いていたことに
俺が気付くことはなかった……__



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