「………俺のこと、放置プレイかよ」
…なんて呟くものの、本当は分かってる。
あの人のことだから、
俺が気を使わずに休めるよう
あえて1人にしてくれたんだと。
気だるい身体を起こすと、
微かに甘い香りが漂った。
そして、先輩のことを思い出す。
__透明感のある白い肌に
女子なら誰もが憧れる、くりっとした目。
スッと通った鼻筋に、小さいピンク色の唇。
男ウケ抜群の、甘美な笑顔。
でも、見た目がチャラい。
噂で聞いた話だと、赤点常習犯だとか。
派手な外見からか
一見なんにも出来なさそうなのに
手際の良さとか、気を使えるところとか…
なんか調子が狂う。
*
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『しんどい時は無理しなくていいんだよ』
__おまけに、他人の感情にも敏感なんて。