なんとか電車に乗ったあとは、崇さんの話題だと落ち着かないので、わざと話を変えた。


くだらない雑談をしていると、時間の流れが速く感じる。


学校に着いてしまったのだ。


昇降口で靴を上履きに履き替え、階段を上り、廊下を進む。


そうするうちに段々と体が重くなってきて、真衣の話には上の空で返答していた。


そうして、私は教室の前で立ち止まった。


「茜、入らないの?」


真衣は首を傾げながら、私を見る。


「うん、ちょっと……」


胸の前で服をぎゅっと掴む。