「それ、崇さんからでしょ? 茜の世界が広がるのは喜ばしいことだけど、なんか親友取られたみたいで、複雑」


私は真衣から嫉妬のような言葉が出たことに驚いた。


つい笑ってしまう。


「あ、なんでまた笑うのよ」


「ううん。あ、電車来てるっぽいよ。走ろう」


いつの間にか、駅のすぐそばまでたどり着いていた。


駅の外から見えるホームには、電車が止まっている。


手に持ったままのスマホを見ると、いつも乗る電車の発車時間まであと2分だ。


本気でやばい。


私たちは走って改札に向かった。