「崇さん。この近くに小さな公園があるはずなんです。幼い頃、お母さんやお父さんと遊びに来た公園だと思います」


走りながら崇さんを見ると、崇さんはハッとした。


「公園ならベンチがある」


「あっ、そっか。もしかしたら、そこにお父さんが……」


そんな偶然があるわけない。


それでも、私たちはおぼろげな記憶を頼りに公園へ足を向けた。


やがて、暗がりの中で、ゾウさんの形をした滑り台やシーソーが見えてきた。


あそこだ。


お父さんは?


遊具から視線を外し、公園の隅々を確認した。


「いた……!」