真衣が指さすのは、私たちが入ってきたドアの方だ。


指の先を見ると、カーテンを開けている窓からは中庭が見える。


冬なので咲いている花は見当たらないが、

落葉する植物は少ないようで、この時期も緑の葉をつけた草木が臨める。


私たちのいる室内はストーブで温められていて、とても心地良い。


なるほど。


ここは確かに、患者さんがいなければとてもいい場所だ。


特等席と言えるかもしれない。



「それで、なんで私に何も言わず教室を出たの?」


食べ終わり、一息ついたところで、真衣がそう切り出した。