ギロッと睨むような先生の目が怖い。


謝ってしまいたかった。


でも、それさえできずにいると、真衣は続けた。


「ほら、こんな寒い日に外で食べたら風邪ひいちゃうんだから、風邪予防って思えば、保健室利用の意義があるでしょ?」


真衣は片手を顔の前に立てて拝むようにして頼んだ。


先生は真衣のおでこを小突く。


「あたっ」


「普通に自分の教室で食べればいいだけだろ」


「女子高生には色々と事情があるんです」


真衣はおでこを押さえると、頬を膨らませた。


私の腕を離して、そのまま先生の横を通り過ぎ、奥へ行く。