それは真衣の声だった。


振り向くと、膝に手を当てた真衣が荒げた息を整えていた。


「真衣、なんでここに……」


「なんでって、一緒にお昼食べようって約束している友だちが黙って出ていったら、心配になって探すでしょ!」


真衣は体を起こすと、私の顔の前に怒った顔を突き出した。


その反応は想定していなかった。


「心配……してくれたんだ」


「当たり前じゃない。それとも、茜は私のこと、友だちって思ってないの? 親友って思ってるのは私だけ?」


私は慌てて首を横に振った。


自信を持って親友と公言できない私だけど、そう思っているのが私だけじゃないとわかって嬉しい。